【いまさら聞けない】DX推進とは?必要な背景や成功事例を紹介

「DX推進ってよく聞くけどイマイチ分からない」とお悩みではありませんか?DX推進はデジタル技術の活用によってビジネスモデルを変革させる取り組みを推し進めることです。
DX推進は社内全体で取り組む必要があるため、経営陣だけでなく、社員一人ひとりが理解している必要があります。
この記事では、DX推進の概要や必要とされる背景、手順などを紹介します。成功事例も紹介するので、イメージを膨らませて自社のDX推進に生かしてみてください。
・社内でDX推進を担う役割の人
・社内でDXを推進したい経営者
・業務効率改善を目指したい社員
目次
DX推進とは
DX推進とは、デジタル技術の活用によって企業文化やビジネスモデルの変革を行い、競争力を向上させる取り組みを推し進めることです。
DXの例としては、キャッシュレス決済やチャットボットの導入などがあります。DXは業務効率化による単なるデジタル化ではなく、変革を起こすことがポイントです。
現状、日本国内でDX推進は行われているものの、アメリカと比べると大きな差があります。
出典:IPA「DX動向2024 進む取組、求められる成果と変革」
また、従業員規模が大きいほどDX推進が行われており、中小企業にはまだまだ浸透していません。
出典:IPA「DX動向2024 進む取組、求められる成果と変革」
なぜDX推進がここまで重要なキーワードになっているのか、次の章で見ていきましょう。
DX推進が必要とされる背景
DX推進が必要とされる背景には、主に3つの要因があります。
2025年の崖への対応
「2025年の崖」とは、日本企業がDX推進を行わなかった場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失を生む可能性があるという問題です。
参考:経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」
最大12兆円/年という数字は、「2025年の崖」のレポートが発表された2018年と比べて約3倍の数値になっています。このような経済損失を防ぐため、DX推進は必要なのです。
レガシーシステムの課題とリスク
レガシーシステムとは、古くから運用されていて現代にはそぐわないシステムのことです。レガシーシステムがあることにより、貴重なIT人材が割かれてしまっています。そこで、DX推進によるIT人材の確保が必要なのです。
人材不足の解消
日本は生産年齢人口(15~64歳)が1995年を境に減少傾向にあり、人材不足の状態です。
出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」
そのため、新たな人員の確保はもちろんですが、今いるメンバーで現場を回す必要があります。そこで、人員不足を解消するためにDX推進に注目が集まっているのです。
DX推進の手順
DX推進を効果的に実施するためには、正しい手順を踏む必要があります。
①目的の明確化
まずは、DX推進の目的を明確にしましょう。例としては、競合他社との差別化や従業員満足度の向上などです。
目的を設定する際は、経営陣だけでなく現場の声も聞くと、組織全体で一体感を持ってDXを推進する状況が作れるでしょう。
②意識共有
目的が定まったら、社内全体に意識共有しましょう。具体的には、DX推進のメリットを伝えます。例えば、役職の増加や残業時間の削減などです。
具体的なDX推進のメリットが分かれば、社員も前向きに協力してくれるでしょう。
③体制構築
DXは片手間で進められるものではないので、プロジェクトとして体制を構築するのがおすすめです。
専門知識を持つ社員に声をかけたり、社外の人や組織に協力を依頼したりしましょう。
④計画立案
DX推進の計画を立てる際は、現状の把握から始めるのがおすすめです。現状から課題を見つけ、いつまでどのように解決するのか計画を立てます。
課題を洗い出すことで、DXで解決すべき課題なのかそうでないのかもはっきりします。DX以外で解決できる課題は、別で取り組みましょう。
⑤実行・振り返り
DX推進は一度やったら終わりではありません。最初からうまくいかないこともあるでしょう。そこで、実行後に振り返りを実施し、改善すべきところは改善してまた実行するのです。
DX推進の成功事例
DX推進にはすでにさまざまな企業が着手しており、成功事例もあります。イメージを膨らませるため、いくつか見ていきましょう。
無線配車システムによる業務変革
国内最大級のタクシー会社である日本交通株式会社はMicroSoft社と提携し、無線配車システムのクラウド化に着手しました。
このシステムでは、電話の着信と同時に顧客情報や配車オプションなどがオペレーターの手元に表示され、情報をすぐ乗務員に伝えられるようになっています。
システム導入により対応件数が増加し、クレームの減少にもつながりました。スマホアプリでの問い合わせが増えている中で、アナログな電話にDXを持ち込んだ素晴らしい例です。
参考:配車注文アプリの普及が進むなか、電話による 無線配車システムのクラウド化に着手
参考:Azure +クラウド型 CRM によるタクシーの無線配車システムで処理件数を 20 %向上! 日本交通が取り組むモビリティ DX
外観検査システムによる技術革新
AIシステムを提供している株式会社アドダイスは、製造現場での検査・検品、監視などをAI化できる「HORUS AI」を提供。外観検査の自動化に成功しました。
検査に合格したものと不合格のものを学習していき、高い精度で見分けられるようになります。また、AIなら24時間稼働できるので、作業効率の上昇にもつながります。
次世代型ホテルオペレーションシステムによる宿泊運営業務のDX化
宮城県仙台市内でホテルを展開する松月産業株式会社は株式会社SQUEEZEと提携し、基幹システムをSaaSへ移行し、アナログな作業が多かったホテル業務をクラウドで実施するようにしました。
すると、経理作業などの効率化に成功し、サービス内容の向上にもつながりました。この取り組みは「全国中小企業クラウド実践大賞」の審査員特別賞を受賞し、DX推進のお手本だと言えるでしょう。
参考:SQUEEZE、松月産業株式会社と基本合意書を締結。宿泊運営業務のDX化を推進し「次世代型ホテルオペレーションシステム」の構築を目指す。
松月産業は2024年にも、株式会社Wanderlustと提携してAI技術を活用した価格最適化モデルの開発を開始しています。今後もホテル業界を引っ張っていく存在として注目です。
参考:株式会社Wanderlust、松月産業株式会社と提携し価格最適化モデルの開発を開始
まとめ
DX推進は、デジタル技術の活用により変革を起こし、人材不足の解消などにもつながる取り組みであるDXを推し進めることです。
まだ日本では十分に浸透していないため、これからDX推進に乗り出す企業もいるでしょう。DX推進は社内全体で取り組む必要があるため、この記事を見ているみなさんもぜひ関心を持ち、自社にはどのような改革が必要か考えてみてください。
この記事を書いた人
シライシタイヘイ
Webライター
生まれてこのかた東北を出たことがない元塾講師Webライター。趣味はゴルフとゲーム。教育やIT、金融系のほか、さまざまなジャンルの記事を執筆。
自分の知らない世界を知れることがWebライターの醍醐味だと思っている。
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編集者情報
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株式会社デジタル・ナレッジ サービス推進事業部 事業部長 野原 成幸 |
わからないことはインターネットで検索していた時代から、AIに質問することでさらにスピーディーに解決できる時代になりました。多くの場合、解決して終わりだと思いますが、「これについてもっと知りたいな」「学んでみたいな」ということも少なからずあるのではないでしょうか。 Pre.STUDYでは、何かを学びたいと思って検索する人にとっての学びの予習(prestudy)になり、明日誰かに話したくなる情報を発信しています。それと同時に、なんとなく湧いた疑問を検索した先で、ふと芽生えた知的好奇心をくすぐり、学びのきっかけになるメディアを目指しています。 |