これで迷わない!失敗しないWeb広告の選び方と成果を出すための秘訣
【連載第3回|SNSに頼らない集客戦略:広告・ツールのメリットと注意点】
こんにちは。ウェブ解析士マスターでチーフSNSマネージャーの森和吉です。
いまや、企業の販促施策に欠かせないWeb広告。多くの企業が取り組む中、「思うように結果が出ない」「種類がありすぎて、何を使ったらいいかわからない」とご相談いただくケースも少なくありません。
実は、Web広告には多くの方が忘れがちで重要なポイントがあります。今回は、Web広告で成果を出すために知っておきたいポイントや、効果的なWeb広告の選び方などをお伝えします。
株式会社吉和の森
代表取締役 森 和吉(もり・かずよし)
https://yoshikazunomori.com/
ウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー
日本トレンドリサーチ調査によるデジタル・マーケティング会社サービス満足度、料金満足度、サポート満足度においてNo.1を受賞(2022年1月)。
「キャリア公式サイト」「広告サイト」など、アライアンスを中心とした50以上の月額公式サイト、100万人以上が利用するサイト、100以上のコンテンツの立ち上げ、集客化に成功。1日の売り上げが1億以上のソーシャルゲーム、カジュアルゲームの制作に携わるなど、さまざまな業態・業種にデジタル・マーケティングを取り入れ、企業に追い風を起こし続けている。
・企業や店舗の広報担当者
・WEB広告を効果的に使いたい経営者
目次
まず取り組むなら、なじみのあるGoogleのリスティング広告から
Web広告と一口に言っても、検索連動型広告とも呼ばれる「リスティング広告」、Webサイトやアプリの画面上にバナーを表示する「ディスプレイ広告」、FacebookやInstagramなどのSNSに配信する「SNS広告」など、種類はさまざまです。
その中でWeb広告に初めて取り組むのであれば、まずはGoogleのリスティング広告がおすすめです。特定のキーワードを入れて検索したとき、検索結果の上部に「スポンサー」の文字とともに表示される広告を見たことがありませんか?これがGoogleのリスティング広告です。
数ある検索エンジンの中でもGoogleは世界で最も使われており、誰もが検索したことがあると思います。Web広告には不慣れでも、普段から使い慣れているプラットフォームであればスムーズに操作することができるはずです。迷ったらまず「Googleのリスティング広告」これが大原則です。
Web広告で注意すべき重要ポイントとは?
では、実際にどのように広告を打っていけばよいのでしょうか。
実際の事例をもとに解説していきます。
あなたはこれからミネラルウォーターのWeb広告を出すとします。
さて、広告にはどのような言葉を入れますか?実はこのキャッチコピーがすごく大切なのです。
「そうだなあ、じゃあうちの会社の水は、他社よりも大容量で安くて産地にもこだわっているから、これらをアピールしよう」
こんなふうに、考えていませんか?自社製品のセールスポイントを入れ込もうとしてしまう。
しかしこれでは「全然効果が出ない」広告になってしまう可能性があります。
特にリスティング広告で打ち出すべきは、「お客様はどんな悩みを抱えているのか」です。
ちょっと考えてみてください。
みなさんも検索エンジンを使う際は、何かしらの課題や悩み、不安がありそれを解決するための情報を検索しませんか?
例えば、水であれば「最近眠りが浅い。水をたくさん飲むといいと聞いたけど、良さそうな水はないかな?」と考え、「深い睡眠 水 おすすめ」などと検索すると思います。
それなのに「大容量 ●●産 安い」といったキーワードでWeb広告を作っていては、いつまでもお客様の検索結果には表示されません。そもそも大容量や安さで商品を選ぶ人は、Web検索ではなくスーパーなどに直接見に行って購入する人が多いからです。
Webで商品を検索する人は、解決したい悩みや不安があって商品を探している、という性質を理解しなければなりません。広告を出すときは「悩み解決」を意識した上で、その商品はお客様のどんな悩みを解決できるのか。お客様がその商品を欲しいと思うとき、どんなシチュエーションが想定できるか、と感上げることが重要です。売り手である企業が伝えたいメリットと、買い手であるお客様が求めているメリットは必ずしも一致しない。これもぜひ覚えておいてください。
Web広告の具体的な使い方やテクニックは、検索すればいくらでも調べられます。むしろ重要なのは、「顧客目線」です。それさえつかむことができれば、Web広告で期待する効果を出すことができるのです。
大切なのは「いかにお客様目線になれるか」
再び、ご自身が普段何かを検索するときのことを思い出してみてください。
一度キーワードを入れて検索したものの、思った通りの情報が出てこない。そうなれば画面を戻って、キーワードを変えて再度検索し直しますよね。そして望む情報が出てくるまで、検索ボタンをポチッと押しては画面を戻り、またキーワードを変えて……を繰り返すことでしょう。Web広告は、この検索の無限ループを止めるのがゴールだと考えてください。
そのためには、お客様の気持ちや悩みに寄り添う言葉やデザインなどで「あ、この商品よさそう」と立ち止まらせる必要があります。つまり、お客様目線になることが大切なのです。
具体的には「3C分析」と言われる顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3要素の情報を分析する手法、商品やサービスを購入する顧客像であるペルソナの設定、顧客が商品やサービスを認知し、購入するまでに接触するであろうさまざまなタッチポイントを可視化するカスタマージャーニーマップの作成などが有効です。
実際の操作以前のこうした”初期設定”は、Web広告において実は最も手間がかかり大変なプロセスです。しかしこのプロセスはいわば「お客様になりきる」行為であり、お客様が顕在的、潜在的に抱える悩みを捉えるために非常に重要です。
しかし、これらのことを自社だけで考え抜くというのは難しいもの。そのため、広告代理店など外部の力を借りるのも一案です。
一番避けたいのは、お客様目線がわからないまま自己流を続けてしまうことです。
ただただ売り手目線のセールスポイントを羅列した広告、つまりは「誰の検索ループも止められない広告」を量産してしまう可能性があります。またそういう企業は、売上が上がらないと「商品やサービスに問題があるのではないか」と考えがちで、ますますセールスポイントの押し売りが強くなります。第三者の目線から指摘をもらえるのは、非常にありがたいことです。ノウハウを学んで、のちに自社で内製するというのもよいでしょう。
広告にかけるコストを無駄にせず、費用対効果を高めるには、とことんお客様に寄り添うこと。売上が上がらなければ、見直すべきは商品やサービスではなくWeb広告の内容です。
Web広告の種類による違い
広告を検討していくうえで「リスティング広告だけではなく、他の広告も検討しよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、同じWeb広告でも、リスティング広告とSNS広告・バナー広告では、お客様と商品の間の距離が異なることに注意が必要です。
リスティング広告は、お伝えしてきたように「今」答えがほしくて困っているお客様に向かって、すぐに答えとなる商品を表示できるものです。
一方でSNS広告、ディスプレイ広告は、今困っていない人も含めたたくさんの人に表示されます。必要ないときは流し見されてしまいます。しかし、いざ必要となったときに思い出されて、購入につながることがあるのです。
これはちょうどテレビCMのようなものです。例えば、「頭痛といえばこの薬」「咳といえばこの薬」といったイメージはお持ちではないですか?子どものころから繰り返しCMで見たものは長く記憶が残っているように、SNS広告やディスプレイ広告も何度も見せられているうちに商品の存在や情報がお客様に着々と刷り込まれています。そしていつか必要になったとき、その記憶が思い出されるのです。
リスティング広告が短期的に結果を狙うものなら、SNS広告・ディスプレイ広告は長期的に結果を狙うものと考えましょう。「よし、今月からSNS広告出そう」と始めたはいいけれど、すぐに結果が出ず「これは失敗だ」と判断してしまう。これは悪い例であることは、みなさんもうおわかりですよね?
Web広告を成功させるには、それぞれの特徴やしくみを理解した上で、自社には何が必要なのか検討することが大切です。ちなみに、リスティング広告は気軽に始められるのもメリットです。SNS広告やディスプレイ広告は、バナーなどを作るデザイナーさんなどが必要です。しかしリスティング広告は、お客様の目線に立った言葉選びは難しいものの、基本的には文章作りなので誰でもできます。迷ったら、先に取り組むべきはリスティング広告です。
まとめ
Web広告で成果を出すポイント、効果的なWeb広告の選び方などをお伝えしました。
洋服屋でおすすめ商品をぐいぐい勧めてくる店員さんが苦手な方は、私も含めてたくさんいらっしゃいますよね。「自社のセールスポイントばかり押し売りするWeb広告」はまさにこれです。押し売りされれば、たくさんの人が逃げてしまうのは当然なのです。
お客様が必要な情報をきちんと発信していれば、押し売りをしなくてもお客様は自然と集まってきます。ぜひ「お客様目線」をいつも忘れないでくださいね。
もっと学びたい方へ|関連書籍
著者:森 和吉
出版社:ぱる出版
発売日:2022年12月22日
価格:¥1,650(税込)
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編集者情報
株式会社デジタル・ナレッジ 教育流通事業部 事業部長 中田 康宏 | |
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