いつから始めるべき?アントレプレナーシップ教育が小学生にも必要な5つの理由
近年、日本でも「アントレプレナー」「アントレプレナーシップ」という言葉を目や耳にする機会が増え、興味や関心を寄せている方も多いのではないでしょうか?
学生起業も増えていますが、小学生から「アントレプレナーシップ教育が必要」と言われても、「早すぎる」と感じる方も多いかもしれません。しかし、「アントレプレナーシップ教育」は、「起業家」になる知識を詰め込むものではありません。
今回は、“金融教育”や“起業家精神”の普及啓発を通じて「子どもたちの未来を切り拓く力」を育む 活動をされている「一般社団法人日本キッズ・アントレプレナー協会」理事長の林田かよさんにご寄稿いただきました。
一般社団法人日本キッズ・アントレプレナー協会
理事長 林田 かよ
https://kepa.or.jp/
青山学院大学大学院修士。研修会社や人材紹介会社など人材育成に関わる複数の企業を経営し、現在は創業支援のノウハウを学校や地方自治体に伝える「小さな創業支援」を展開中。地域で小さな起業・創業を支援することで地域活性化につなげる取り組みを各自治体と行っている。中小企業庁の「地域創業促進支援事業」として港区にて創業スクールを運営。2017年より経済産業省の認定する経営革新等支援機関として登録。TOKYO中小企業活性化プラットフォーム代表機関として創業支援を行っている。
・アントレプレナーシップ教育に興味がある指導者
・アントレプレナー育成を始めたい指導者
・アントレプレナーシップ教育について知りたい保護者
目次
アントレプレナーシップとは?アントレプレナーの意味からわかりやすく解説
アントレプレナーシップとは、起業家精神や起業家活動を指します。アントレプレナー(起業家)は、文字通り、「自分自身で新しい事業やビジネスを立ち上げる人」を指します。
新しいビジネスを立ち上げるためにはリスクがありますが、そのようなリスクを取ることができる人がアントレプレナーと呼ばれます。多くの起業家は新しいアイデアを実現し、価値を創造し、社会に貢献することを目指します。
アントレプレナーシップ(起業家精神・起業家活動)は単なるビジネスの創出だけでなく、革新、創造、問題解決を社会に提供し、自らが推進役となってプロジェクトを進めることを意味します。
アントレプレナーシップ教育とは?
アントレプレナーシップ教育は、子供たちや若者に起業家精神とスキルを教える教育のことです。
これは、将来的にビジネスを立ち上げるためだけでなく、幅広い社会的スキルの育成にも役立ちます。将来の予測が困難な不確実な時代には、「自ら切り拓く力」や「ものごとを創造する力」「自分で考え抜く力」が必須となります。
また、起業家は一人ではビジネスを成功させることができません。アントレプレナーシップ教育は、仲間とともに「協業し共創する力」を醸成します。共創とは競争ではなく、ともに築き上げること、作りあげることなのです。
いつから始まった?
アントレプレナーシップ教育の概念は20世紀後半から徐々に普及し始めました。特に21世紀に入り、急速に変化する経済環境と技術革新の波に対応するために、世界中の教育システムに取り入れられるようになりました。アメリカやヨーロッパでは、大学レベルだけでなく、初等教育や中等教育でも広く実施されています。
日本でも、金融教育の必要性とともにアントレプレナーシップ教育の重要性がますます認識されるようになっています。
何を学ぶの?
アントレプレナーシップ教育では、以下の3つの主要な要素が重視されます。
① 起業家マインド(起業家精神、アントレプレナーシップ)を育む教育
起業家マインドとは、挑戦を恐れず、失敗を学びの機会と捉え、常に改善と成長を追求する精神のことです。
このマインドを育むことは、子供たちが困難に立ち向かい、自分自身を信じる力を養う上で重要です。私たちの教育メソッドでは、失敗を恐れずチャレンジすることに対して積極的に評価するという方針をとっています。
② 起業家的能力を身につける教育
起業家的能力とは、アイデアを具体化し、ビジネスプランを立て、実行に移す能力です。
これには、市場調査、資金調達、リスク管理など、ビジネスを成功させるための実践的な知識が含まれます。私たちの提供プログラムにはこのような、「市場調査」「資金調達」「リスク管理」の要素も入れて組み立てられています。
③ 起業家的スキルを身につける教育
起業家的スキルとは、リーダーシップ、コミュニケーション、チームワークなど、ビジネス環境で必要となる人間関係のスキルです。
これらのスキルは、ビジネスだけでなく、あらゆる社会的場面で役立ちます。提供ワークショップでは、最初はチームでの協業がぎこちないものだったとしても協力しなければ前に進まないという環境に置かれることで徐々に自発的に起業家的スキルが育まれます。
小学生からアントレプレナーシップ教育をすべき5つの理由
理由1:創造力と問題解決能力の育成
小学生の時期は、創造力が最も豊かで、新しいアイデアを生み出す能力が高い時期です。アントレプレナーシップ教育を通じて、この創造力を現実的な問題解決に応用する方法を学びます。例えば、小さなビジネスを企画・運営する経験を積むことで、問題を見つけ出し、解決策を考える力が養われます。
理由2:リーダーシップと協働のスキル
アントレプレナーシップ教育は、リーダーシップのスキルを育む上で非常に効果的です。小学生がチームでプロジェクトに取り組むことで、リーダーシップの重要性を理解し、他者と協力する方法を学びます。リーダーとしての役割を経験することで、自信と責任感が身につきます。
理由3:金銭管理と経済の基本知識
ビジネスの基本を学ぶことで、子供たちは金銭管理や経済の基本的な仕組みについての理解を深めます。お金の価値や貯蓄の重要性、投資の考え方など、将来の生活に直結する知識を早い段階から身につけることができます。これにより、経済的に自立した大人になるための基礎が築かれます。
理由4:自己肯定感と成功体験の提供
小さなプロジェクトでも、自分のアイデアが実現し、成功する経験は子供たちに大きな自己肯定感を与えます。失敗を恐れず挑戦する姿勢を学ぶことで、困難に立ち向かう力も養われます。成功体験は自信を深め、さらに新しい挑戦への意欲を高めます。
理由5:社会とのつながりと責任感の育成
アントレプレナーシップ教育は、子供たちが社会とのつながりを感じ、社会的責任を意識するきっかけとなります。地域にはどのようなビジネスがあるか、地域ならではの課題は何かを知ること。地域の課題を解決する方法を考えることなどを通じて、コミュニティに貢献する喜びを知ることができます。これにより、社会に対する関心と責任感が育まれます。
まとめ
アントレプレナーシップ教育は、単なるビジネスの知識を教えるだけでなく、子供たちの人間的な成長にも大きな影響を与えます。創造力、問題解決能力、リーダーシップ、金銭管理、自己肯定感、社会的責任感など、これからの時代を生き抜くためのスキルと姿勢を身につけるために、小学生のうちからアントレプレナーシップを育むことが非常に重要です。将来の成功と幸福を手に入れるために、早い段階からの教育が求められます。
将来の経済成長を支えるためには、子供たちが早い段階から起業家精神を身につけることが不可欠です。アントレプレナーシップ教育を通じて、次世代のリーダーやイノベーターを育成し、日本の社会や経済に新しい活力をもたらすことが期待されています。このような教育の普及により、子供たちは挑戦を恐れず、自分の可能性を最大限に発揮する力を養うことができます。アントレプレナーシップ教育は、子供たちのためだけではなく、次世代の地域を支える人材作りという意味で、地域にとっても必要不可欠な教育と言えます。
このように、小学生からのアントレプレナーシップ教育は、多くの利点を持っています。指導者や保護者の皆さんも、この教育の重要性を理解し、積極的に取り入れることをお勧めします。
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編集者情報
株式会社デジタル・ナレッジ 教育流通事業部 事業部長 中田 康宏 | |
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