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中小企業がSDGsに取り組む5つのメリットと実践方法

公開日:2023年10月26日 タグ:,

国連サミットでの採択後、日本でも取り入れる企業が増えているSDGs。「SDGsの概要や、中小企業がSDGsに取り組むメリットを知りたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

SDGsとは持続可能な開発のためにさまざまな問題の解決を目指す世界的な目標で、企業が実践した場合は社会貢献だけでなく経営にもメリットがあります。

この記事では、SDGsの基本的な情報や取り入れるメリット、実践方法を解説します。また、SDGsの基礎知識の習得に役立つ資格講座も紹介するためぜひ参考にしてください。

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この記事を届けたい人

・自社にSDGsを取り入れたい経営者
・従業員にSDGsの理解を促したい担当者
・「SDGコンパス」について知りたい方

SDGsとは?中小企業が知っておきたい基礎知識

中小企業が把握しておきたいSDGsの基本的な情報を解説します。

 

SDGsとは

SDGsとはSustainable Development Goalsの略称で、日本語では持続可能な開発目標と呼ばれます。持続可能でより良い世界を目指すための、世界共通の目標を指す用語です。

SDGsは2015年の国連サミットで採択され、2030年までに持続可能な社会を実現することを目標としています。

SDGsの17の目標

SDGsは17の目標と、目標達成を手助けする169のターゲットで構成されています。

目標のジャンルは貧困やジェンダーの問題、地球環境の保護や平和、教育や経済成長など多岐にわたります。

しかし、1企業が全目標に取り組むべきというわけではありません。自社の事業内容を踏まえて、貢献できる目標は何かを考えることが大切です。

SDGsとCSRの相違点

CSRはCorporate Social Responsibilityの略称で、企業の社会的責任と訳されます。顧客、従業員、取引先、環境、社会などのステークホルダーから、企業が信頼を得るために果たすべき社会的責任を指すものです。

SDGsとCSRとの相違点を考えてみましょう。

SDGsでは、取り組むべき課題が17の目標と169のターゲットで明示されています。それに対し、CSRでは社会やステークホルダーの信頼獲得につながる行動を企業が自由に選択することが可能です。

示された課題に取り組むか自由に選択して行動するのかが、SDGsとCSRの相違点といえるでしょう。

しかし、SDGsとCSRのどちらも、目的は持続可能な社会の実現です。目指す方向性は同じであり、SDGsの取り組みはCSRにつながります。

 

中小企業がSDGsに取り組むメリット

SDGsへの取り組みによって、中小企業はさまざまなメリットを得ることが可能です。ここでは、おもなメリットとして以下の5つを紹介します。

  1. 新規ビジネスチャンスの獲得
  2. ブランドイメージの向上
  3. 競争力の向上
  4. 従業員の意識向上
  5. リスク管理

 

1. 新規ビジネスチャンスの獲得

多くの顧客や取引先、ビジネスパートナー(他業種企業や研究機関など)の間で、SDGsへの関心が高まっています。SDGsへの取り組みを強化することで、新規のビジネスチャンスを獲得できる可能性が広がるでしょう。

また、中小企業のなかには、新たなビジネスの舞台として海外市場に関心を向けている企業も少なくありません。

SDGsは国内だけでなく世界各国で共通のゴールとして認識されているため、積極的に取り組む企業は国際的に高く評価される可能性もあるのです。

2. ブランドイメージの向上

SDGsの目標はいずれも、世界全体で取り組むべき課題です。そのため、昨今は顧客のSDGsへの意識も高まり、企業の方向性や施策はブランドイメージを左右する流れとなっています。

SDGsに取り組む企業は社会的責任を果たす企業であると認知され、ブランドイメージの向上につながるのです。先進的な企業として注目される機会も増加するでしょう。

3. 競争力の向上

SDGsの目標を達成して持続可能な社会を実現するには、イノベーション(技術革新)や生産性の向上が欠かせません。

イノベーション・生産性アップは企業が成長する源泉となります。経営プロセスや製品・サービスの改善が促進され、企業の競争力が向上するでしょう。

4. 従業員の意識向上

企業がSDGsに取り組むことで、従業員は自分の業務が社会的な課題の解決につながっている実感を持ち、仕事への誇りにつながります。

従業員のモチベーションアップによって、生産性の向上や企業内のコミュニケーション活発化なども期待できるでしょう。また、従業員の定着率向上や優秀な人材確保の可能性も高まります。

5. リスク管理

SDGsは企業に対し、重要なリスクテーマを投げかけているという見方も無視できません。

SDGsの目標を達成できない場合、社会の持続可能性が損なわれる可能性は大きいでしょう。言い換えれば、企業の事業活動の基盤が失われるともいえます。

しかし、持続可能な事業モデルの模索・構築により、環境変化や社会的な要請によるリスクを軽減することが可能です。SDGsへの取り組みは、企業のリスク管理の一環ともとらえられます。

 

中小企業のSDGs実践方法

引用元:SDG Compass「SDGs の企業行動指針
—SDGs を企業はどう活用するかー」

GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)の3団体は、企業におけるSDGsの取り組みについて、経営戦略との整合や導入方法などの指針をSDGコンパスに共同でまとめました。

ここでは、SDGコンパスに基づきながら、中小企業がSDGsを実践する方法を5STEPごとに解説します。
※出典:GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)「SDGコンパス」

 

 

STEP1. SDGsを理解する

SDGsで解決すべき社会課題を理解することが、本質的な取り組みのためのベースとなります。

まずはSDGsへの理解を深めましょう。SDGsとは何か、策定された経緯、活用する意義やメリット、企業の社会的責任などへの理解が必要です。

最初の段階で背景を理解しておけば、そのあとの取り組みに一貫性を持たせやすくなります。

STEP2. SDGsの優先課題を決める

自社の事業や業務を洗い出し、SDGsが掲げる17の目標とのかかわりを分析しましょう。

各企業にとって、17の目標がすべて同じ優先順位となるわけではありません。目標ごとに企業が貢献できる度合いや機会はそれぞれ異なります。

SDGsの課題と照らし合わせながら、自社が貢献できる優先課題を決定します。

なお、優先課題を決める際は、プラス・マイナス両面の影響も考慮するとよいでしょう。

STEP3. 具体的な目標を設定する

自社が貢献できるSDGsの優先課題を決めたら、達成期限や数値、達成のために行なうべき取り組みなどを具体的に設定しましょう。計測できること・期限を設けること・持続可能であることが大切です。

具体的な目標の設定後は、SDGsへのコミットメントとして公表します。公表によってステークホルダーとの対話の基盤にもなるでしょう。

STEP4. 経営に組み込む

STEP3で具体的に設定したSDGsの目標を、自社の事業や組織に当てはめて行動を開始します。

事業として取り組む根拠を従業員に伝え、SDGsの取り組みが企業価値を創造することを理解してもらいましょう。

また、SDGsの取り組みによって生まれる企業価値が、ほかの事業目標の達成を促進することについても、経営層と従業員で共通理解を持っておくのが大切です。

STEP5. 情報を発信する

中小企業のSDGsの取り組みは、活動報告として社内・社外に積極的に情報発信することが重要です。優れた取り組みを実施した場合でも、発信がなければ「SDGsを重視していない企業」と認識されてしまうかもしれません。

社外への発信によって、社外からの意見や協力を得られる可能性もあります。

なお、活動報告と同時に、SDGsの取り組みの見直しや改善を行なうとよいでしょう。進捗の具合を定期的にチェックすることにより、計画の遅れや新たに発生した問題に早い段階で対処できます。

 

まとめ

SDGsは持続可能な開発のために課題解決を目指す世界的な目標です。中小企業がSDGsに取り組んだ場合、ブランドイメージの向上やビジネスチャンスの拡大などのさまざまなメリットがあります。

SDGsの実践を成功させるには、SDGsの目標と自社の事業を分析し、事業に支障のない範囲で貢献できる課題に取り組むことが大切です。

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    株式会社デジタル・ナレッジ
    教育流通事業部 事業部長 中田 康宏
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