効果的な企業SNSの運用とは?各SNSの特徴と複数運用のメリットとコツを解説!
【連載第2回|はじめてのデジタルマーケティング超入門】
SNSマーケティングは、企業や店舗にとって不可欠になっています。一方で多くの担当者が「SNSの運用を任されたけど、自社に合ったSNSがわからない」「SNSの更新をがんばっているけど効果が感じられない」という悩みを抱えています。
今回は、各SNSの特徴から企業に合ったSNSの選び方や運用方法についてわかりやすく説明していきます。
株式会社吉和の森
代表取締役 森 和吉(もり・かずよし)
https://yoshikazunomori.com/
ウェブ解析士マスター、チーフSNSマネージャー
日本トレンドリサーチ調査によるデジタル・マーケティング会社サービス満足度、料金満足度、サポート満足度においてNo.1を受賞(2022年1月)。
「キャリア公式サイト」「広告サイト」など、アライアンスを中心とした50以上の月額公式サイト、100万人以上が利用するサイト、100以上のコンテンツの立ち上げ、集客化に成功。1日の売り上げが1億以上のソーシャルゲーム、カジュアルゲームの制作に携わるなど、さまざまな業態・業種にデジタル・マーケティングを取り入れ、企業に追い風を起こし続けている。
・企業のマーケティング担当者
・SNS運用を始めたい広報担当者
・SNS運用をしているが、いまいち効果が実感できない担当者
目次
SNS、本当は全部やったほうがいい(やれないならどうするか)
企業のSNSを見ていると、「X(旧Twitter)だけ」「Facebookだけ」といった1つのSNSを限定的に運用している企業がとても多いと感じます。おそらく、その方が効率的に運用できるという考えからでしょう。しかし、顧客全員が必ずしもそのSNSを見ているわけではありません。Instagramしか見ない人もいれば、TikTokばかり見ている人もいるわけです。そうなると、効率を考えるのであれば逆に全てのSNSを網羅している方が絶対に良いのです。
とはいえ全てのSNSを網羅し、本気で運用するのは大変な労力です。X(旧Twitter)に投稿した内容を、そのままTikTokやYouTubeに投稿できるわけではありませんし、その逆も同様です。全てのSNSを運用しようとして、どれもこれも中途半端な回数しか投稿できないのであれば、諦めて数を絞ることも必要になります。
その場合に「担当者が運用しやすいSNS」という判断基準だけで絞ってしまっては、発信する情報が顧客に届きにくくなってしまいます。それぞれのSNSが持っている特徴をしっかり把握して、自社に必要なSNSを選定し、運用するようにしましょう。
各SNSの特徴を把握しよう
まずは自社が発信する情報を受け取って欲しいターゲットをしっかりと認識することです。その上で、ターゲットに届けるためにはどのSNSが有用かを考えていきましょう。各SNSの簡単な特徴は以下の通りです。
- 利用者の中心は30〜50代
- 実名登録であるため、ターゲティング広告の精度が高い
- ユーザー数28億人の世界最大のSNS(2021年4月現在)
X(旧Twitter)
- 利用者の中心は10代後半〜20代(40代以上も多い)
- リポスト機能によって情報が拡散されやすい
- 匿名ユーザー中心なので、安易に炎上しやすい
LINE
- 老若男女に使われており国内普及率No.1
- 多機能なビジネスアカウント機能
- 「友だち」としてつながらないと情報を伝えられない
- 利用者の中心は20代〜40代の女性
- コスメやアパレルなどビジュアル訴求中心の女性向け商品に有効
- シェア機能がないので拡散性が低い
YouTube
- 幅広い世代が利用
- 動画コンテンツを用意する必要があるので更新の負担が大きい
- 60秒以下のショート動画機能が始まり、負担軽減が期待できる
TikTok
- 10代〜20代の若年層が中心
- 直感的に使える動画編集機能があり、更新の負担が軽い
- 広告以外での商用利用が不可
- ビジネス特化型で国内ユーザー数は少ないが、海外では8億ユーザー
- 海外ではプライベートはFacebook、ビジネスはLinkedInという使い分けが多い
- 経営者にアプローチできる
このようにSNSでも種類によって、アプローチできる顧客層は大きく異なっています。自社のビジネスで、よりターゲットに情報を伝えられるSNSが何なのかをしっかり把握しましょう。
ターゲット狙いは大事だが、続けることはもっと大事!
「自社のターゲットと各SNSの特性を考えるとTikTok。でも自分ではX(旧Twitter)をよく使っている」。そういった場合、使い慣れていないTikTokの運用は「面倒だなぁ」と感じることもあると思います。そんなときは、前述の内容に反するようですが「まずX(旧Twitter)から始める」という手もあります。
SNSの担当者によっては、会社のターゲット以前に自分が運営しやすいSNS、しにくいSNSがあるでしょう。ターゲットに合っているSNSを理解した上で、それでもやりやすいSNSから始めてみる。その利点は「続けやすい」ことにあります。
SNSは始めたからといって、すぐに成果が現れるものではありません。フォロワーの数やいいねの数が増えていくまで、半年から1年は地道に運営する必要があります。その期間を我慢して投稿を続けていくためには、やりやすさを感じているSNSの方が間違いなく継続しやすいのです。
そうやって使い慣れたSNSに投稿することが習慣化したところで、改めて自社ターゲットに合うSNSにチャレンジしてみれば良いのです。
継続して打席に立ち、必要な数の投稿を続けることが成功への近道
半年から1年は継続していく必要があるSNS運営ですが、それぞれのSNSによって投稿頻度の必要回数は変わってきます。これは参加者全体の投稿数が違うためです。
みんながたくさん投稿するX(旧Twitter)では、自社のポストもたくさんしなければどうしても埋もれてしまいます。多くの参加者が日に1回程度の投稿をするSNSなら、あまり多く投稿すると逆にうるさく思われてしまいます。
それぞれのSNSでお勧めの投稿頻度は図のようになります。
こうして見るとX(旧Twitter)投稿数を実現するのは難しそうに感じるかもしれません。しかしX(旧Twitter)には140文字という文字数制限があり、その中でつぶやきのようなポストをする人も多いもの。(ただし現在、有料版のX Premiumユーザーは全角2000字まで投稿可能…2023年9月現在)つまり、内容をそれほど吟味する必要はないのです。
例えば朝は「おはよう」、昼は「今日のランチ」、仕事終わりに「お疲れさま」といった、仕事仲間に気軽に挨拶をするような書き込みでも構いません。こうしていわゆる“中の人”としての人となりを感じてもらうことで、フォロワーは親近感を抱きます。それが企業への好感度につながっていきます。
逆に商品のPRや会社のお知らせといった、商売を感じさせる投稿が多いとフォロワーは離れていきます。程々の頻度を心がけましょう。
Instagramでハッシュタグを上手に使う
Instagramにはリツイートやシェアなどの拡散機能がありません。そのため他のSNSに比べ、ハッシュタグをいかにうまく使い投稿を見つけてもらえるかが重要になります。しかし、実際にうまく使いこなせている企業は多くありません。
単純に内容にマッチしたハッシュタグを数個つけているだけでは、なかなか広がっていきません。「15個程度はつける」「検索ボリュームが多いものを選ぶ」といったポイントを抑えてください。
タグの検索ボリュームを調べるツールとしては「ハシュレコ」がおすすめです。単語を入力すると、関連のあるタグを提示してくれるサイトで、自分では関連を思いつかないものを提示してくれるので、タグ付のマンネリから脱却できます。
またフォロワーが少ない時期は、検索ボリュームが多すぎないタグを付けるようにしましょう。目安の検索ボリュームは3〜5万件程度のものを選ぶと良いでしょう。あまりにボリュームが多いものよりその方が競合性は低くなり、上位表示が狙えるのです。
諦める必要なし!商用利用不可のTikTok
TikTokは広告を出す以外の商用利用を禁止しています。とはいえ10代〜20代の圧倒的な支持がありますし、ターゲットが重なるなら使わない手はありません。具体的な商品やサービスの広告はできませんが、様々なやり方で多くの企業が利用しています。
例えば運転手たちが踊る動画を投稿して知名度を上げたタクシー会社、チュロスをつくる工程の動画がバズったチュロス屋、フルーツ大福の断面動画が“断面映え”として話題になった和菓子屋など、成功事例も数多くあります。
TikTokは最大60秒ほどの短い動画ですが、人気を受けて各SNSもショート動画に力を入れ始めています。Instagramは最大90秒のリール動画を2020年からはじめましたし、YouTubeも2021年から日本でも始まった最大60秒のYouTubeショートをリリースしています。
ですからSNS運用で動画コンテンツを検討しているのであれば、ショート動画に注力することで各SNSに横展開も可能です。ぜひ試してみてください。
まとめ
まずは慣れているSNSから運用を始めて、自社に必要なSNSを分析して徐々に増やしていきながら、最終的には全てのSNS運用を目指すとよいでしょう。
もっと学びたい方へ|関連書籍
著者:森 和吉
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発売日:2022年12月22日
価格:¥1,650(税込)
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編集者情報
株式会社デジタル・ナレッジ 教育流通事業部 事業部長 中田 康宏 | |
何かを学ぼうとして買った教材が、「なんか求めてたものと違った」なんてことありませんでしたか? これは、長きに渡りeラーニング市場で消費者を悩ませている解決すべき課題です。私たちは、これらの学びのミスマッチを少しでも減らすために、「学びのprestudy(予習)」となる情報を集めています。 何かを学ぼうという意欲がある人は、その学びで得たものによって多くの人の役に立とうとする尊い人たちです。私たちは、そんな学ぶ意欲を持つ尊い人達のために少しでもお役に立てればと思い、学びの予習となる記事を本メディアにて公開しています。 |