失敗しない夏休みの自由研究 |大人になっても覚えている知識とは!
子どもにとっては待ちに待った夏休み!こんな楽しい夏休みに多くの宿題を課す大人のセンスのなさに憤りを感じている子どもも多いのではないかと思います。
特に、夏休みの宿題のラスボス「自由研究」は、子どもだけでなくパパさんやママさんを巻き込んだ大きな悩みになっていることでしょう。そんな悩みを持っている方が、本ページに辿りついているのではないでしょうか。
「失敗しない夏休みの自由研究」というタイトルを見て、皆さんはどうなってしまうことが「失敗した自由研究」と思っていますか?
思った通りに研究が進まずに自由研究として成立しなかったことが失敗でしょうか?もしくは、自由研究のほとんどを親御さんだけで完成させてしまったケースが失敗でしょうか?もしくは、時間が足りず適当な自由研究になってしまい子供に自由研究を通して何の学びにも繋がらなかったことが失敗でしょうか?
失敗の定義は、ご家庭によって、それぞれあると思いますが、自由研究という体験を通して子供の記憶に何も残してあげられなかったことを失敗の定義として、本ページでは「失敗しない夏休みの自由研究」をテーマに以下の目次で、お子さんに楽しんで得た体験と知識を提供するための自由研究のポイントをまとめさせていただきました。
是非、夏休みの宿題のラスボス退治の参考にして頂ければ幸いです。
・お子さんの自由研究のテーマや子供の自由研究に取り組む態度に悩みを持つ親御さん
・先生を「アッ!と言わせる」自由研究をしたい中学生
目次
夏休みの自由研究ってどんなものがある?
まずは、自由研究ってどんなものがあるのかを、Webサイトで探してみました。
インターネットで調べると、自由研究を紹介する様々なページがありますが、代表的なものは、工作系・実験系・観察系・調査系の4つに分類されます。
誰かが作った成果物を、まるまるコピーさせるのは子供に何の体験もさせてあげることもできないのでオススメできませんが、お子さんがどんなことに興味を持つか、また、お子さんが自由研究で作るゴールイメージを認識するには、存分に参考にするのが良いかと思います。
あくまでも、お子さんが何に興味を持つか、ゴールイメージを認識するための参考にするだけです。これを模造紙や画用紙に写して提出するだけでは何の意味もないのでご注意ください。
工作系自由研究
日時計を作ろう:太陽の光でできるがげの位置で、およその時刻が分かる日時計を作ろう
手作り日時計の作り方が丁寧に解説されています。日時計を作る過程で不思議に思ったこと気づいたことや、作った日時計を観察してみて不思議に思ったことから、子どもにとって印象に残る自由研究になる可能性は高いです。また、日時計を作るためのテンプレートなどもダウンロードできるようになっているので、意外と敷居も低く楽しめる自由研究です。
「日時計を作ろう」は、自由研究テーマを探すうえで参考になる学研社のWebサイト「Gakkenキッズネット」に掲載されていました。とても参考になる自由研究が多いのでご確認頂くと良いかと思います。
実験系自由研究
大気圧のふしぎ実験:空気ポンプや水てっぽうを使って大気の不思議を楽しむ。
主に小学生に向けた実験です。大気は目に見えないため、その圧力は普段は感じることはありません。子どものときに水をいっぱい入れたグラスに上から紙でフタをしたら逆さにしても水は落ちないという実験で感動しませんでしたか?こんな些細な実験でも子どもにとっては不思議がいっぱいです。親御さんが不思議や気づきをファシリテーションしてあげれば印象に残る自由研究になる可能性は高いです。また、実験キットが送られてくるのも手軽に実験できて親としては助かります。
「大気圧のふしぎ実験」は、N-Academy「学研 湯本博文の科学実験講座」の第1回に収録されている実験です。
観察系自由研究
パンに生えるカビの観察:色んな条件下で生えるカビを観察しレポートする
中学生にはおすすめしたい自由研究です。パンとタッパを異なる環境化に放置することでカビの繁殖にどんな変化が出てくるのかをレポートにまとめるものです。
この通称「パンカビ」を自由研究に選ぶメリットは、パンをどのような環境化にするのか多くのレパートリーを自由に発想することができるので、オリジナリティを出しやすいのがメリットです。
分かりやすい条件の違いでいうと、「台所」「エアコンの効いた部屋」「冷蔵庫」「ベランダ」など場所による環境の違い、「ワサビを入れる」「梅干しを入れる」「レモンを入れる」パンに塗ったり、一緒に入れたりすることで、予想と結果の幅が広がります。
また、カビと一言で言ってもいくつかの種類があります。
このような簡単な観察だけに、自由度が高くオリジナリティも発揮しやすく、レポートへのまとめ方次第では、見ごたえのあるレポートになるので先生を「アッ!と言わせる」ことができる可能性が高いと思います。
ただ、時間の経過による観察なので2週間程度の期間を要します。夏休みが終わるまで2週間を切ってしまった場合は、おすすめできません。
この「パンカビ」私たちが子供の時には、毎日同じ時間に写真を取ったり観察し続けるハードルは高かったですが、今の時代、アレクサやスマートフォンに毎日同じ時間にリマインドしてもって、スマホで写真をとり観察記録するだけでいいのです。
これだけテクノロジーの恩恵にあずかれる現在の小中学生にとっては、意外と敷居は高くないのかなと思います。
「パンに生えるカビの観察」も色々なサイトで紹介していましたが、あまりにも単純な観察なので、「このサイトがいい」とは言い切れませんでした。調べるまでもないかも知れませんが、「自由研究 カビの観察」と検索してみて色々なサイトを見てみることをおすすめします。
調査系自由研究
自分のルーツを探ろう:自分のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの記憶をたよりに家系図を作ってみる。
調査系の自由研究は、お子さんの興味がわくテーマにしないと苦痛でしかありません。自分のおじいちゃんのおじいちゃんは何て名前の人で何を仕事にしていた人なのかなど家系図に沿えるレポートに整理するだけで色々な発見があり楽しいかと思います。この自由研究であれば、おじいちゃん、おばあちゃんに話を聞く時間さえあれば早ければ数時間で調査を終えて、家系図を作成することができますから、残りの夏休みの時間がなくなってしまった方は、是非、調査してみてください。
「自分のルーツを探ろう」は、さすがに自由研究にしている人は居ませんでした。
突き詰めるタイプの子には戸籍を取得してあげるなど親御さんが手伝ってあげるのもありかと思います。戸籍を取得するときは、自身の本籍地である市役所で取得することができますが、その前にせっかくの夏休みおじいちゃんやおばあちゃんの顔を見に行ってあげるついでに、自分のルーツについて聞いてみてはいかがでしょうか?
自由研究|まとめ方のポイント
まとめ方のポイントの前に、注意事項があります。
自由研究といえど、学校の宿題として課されているものであれば、宿題としての要件があるかも知れません。まずは宿題の要件をご確認ください。
もし何らかの要件があれば、当然のこととして要件を満たす必要があります。とても、つまらないこととお思いでしょうが、出題者(クライアント)の意図を満たすことは大人の社会では必須事項になります。出題者となる先生に評価されたいのであれば、まずは宿題としての要件をご確認ください。
宿題として課された自由研究の要件を踏まえて、分かりやすくアウトプットにまとめるために必要な実験系自由研究や観察系自由研究に求められるポイントの10項目を説明します。
自由研究に求められる10のポイント
タイトル/サブタイトル(ポイント1)
何について調べたのかを印象的な読み手の注意をひくタイトルを考える。
タイトルは読み手の注意をひく印象的な言葉に対してサブタイトルは、タイトルを補足するようなわかりやすい内容を加える
制作者情報(ポイント2)
学年・組 名前を忘れずにアピール
研究の背景(ポイント3)
なぜ調べようと思ったのかを書く
研究の目的(ポイント4)
タイトル/サブタイトルの補足。目的(調べたいこと)を書く
用意したもの(ポイント5)
研究に使った道具や材料を書く
調べ方(ポイント6)
どのようにして研究をしたのかを書く
予想(ポイント7)
研究に先立ち、あらかじめ、どのような結果になるか予想を書く
結果(ポイント8)
実験の結果を書く(予想との比較などが読み手にとっては分かりやすい)
気づいたこと・研究の改善点・アドバイス(ポイント9)
研究によって気づいたことや、今度、同じ研究をする際の改善点、同じ研究をやってみたいお友達へのアドバイスなどを書く
出典(ポイント10)
参考にした書籍やWebサイト
※もし、引用がある場合は、引用した箇所のすぐ下に書くこと
▶自由研究まとめ方のコツは、「自由研究解決ガイド@ベネッセ教育情報サイト」にとても丁寧に説明があります。参考になると思いますので、詳しくはコチラでご確認ください。
親の作品にならないようにするには?|子どもの欲を見逃さずに!
子どもの宿題だから親は手伝ってはいけないと思っている親御さんも多いかと思いますが、決してそんなことはありません。
むしろ、小学生に関しては実験の道具の準備などはもちろんのこと、研究をするにあたってのファシリテーションは重要な親御さんの役割と言えます。
まだ、知らないことが多く経験のない子供の想像力だけで、最後まで自由研究を深いところまでやりきることは、とても敷居が高いものです。
子どもの「やってみたい」を引き出し、子どものモチベーションを維持できるように親御さんのファシリテーションは自由研究には欠かせないものです。
そして、研究を継続することで子供に芽生える「こうやったらどうなるんだろう」「これをお友達に自慢したい」などの「欲」を見つけて応援していくのも親御さんの重要な役割の1つです。
一方で、注意したいことは、自由研究を進めて行くうちに、いつのまにか親御さんが主体となってしまわないことです。親が頑張れば頑張るほど子供をしらけさせてしまうリスクが高まります。あくまでも親御さんはファシリテーション・補助・応援に徹するように心がけてはいかがでしょうか。
自由研究の評価基準は?~学校の成績への影響は?~
では、自由研究の評価基準は、どんなものがあるのでしょうか?
結論から申し上げると、自由研究の宿題は学習指導要領には規定はなく、学校任意のもののようです。なので、発表や展示の仕方、評価においても学校により異なるので、担当の先生に聞いてみるのが良いかも知れません。
また、自由研究は学校の成績にどう反映されるのでしょうか?
これも結論から申し上げると、成績通知表に大きく関係するものではないようです。
学校や担当教員によっても異なるようですが、その自由研究がどの科目に類するかにもよります。自由研究のテーマが類する科目の[科目への関心・意欲]といった項目に〇がつく程度の影響か、もしくは担当教員が少なからず配点をする程度しかないようです。
どうですか?ちょっと、自由研究やる気なくなってしまいました?
以上のように、夏休みの自由研究は学校の成績には大きな影響を与えるものではありません。ただ、夏休みの自由研究という学びは、普段、こどもが経験する習って覚える学びとは異なり、課題を自分で決めて深めていく研究的な学びになるので、夏休みくらいしかできる機会はないでしょう。
私の個人的な思いとしては、大人に与えられた習って覚える学びは、大人になって忘れてしまうことがほとんどです。一方で、子どもの時に感動した体験や、課題を自分自身で見つけ、気づき身につけた知識や経験は大人になっても覚えています。
キッザニアの創業者であるハビエル・ロペス氏が「ワールドマーケティングサミット2016」でプレゼンしていた資料によると「人間は一般的に読んだものは10%ぐらいしか覚えていられないのに対し、体験したことは90%を覚えていられる」という。
あくまでマーケティングに関するデータと思われるかも知れないが、こどもの記憶の定着についても同じことが言えるのではないかと思います。
是非、自由研究を通して大人になっても覚えていてもらえる体験を子どもに提供して頂ければと思います。
ダメダメ中学生が嫌われてた理科教師に絶賛された自由研究とは
私の中学生時代は本当にダメダメ中学生でした。特に中学校の理科の授業は、退屈で今となってはほとんど授業で何を教わったのか覚えていません。自己分析としては、テストで良い点を取るためにテスト前に出題範囲を集中的に覚えれば点数は取れるから問題ないと思っていたからだと思っています。
そんなダメダメ中学生が理科で学んだことで、大人になっても覚えていられていることが自由研究のテーマに関することでした。
ダメダメ中学生が自由研究のテーマにしたのが、本記事でも紹介した「パンに生えるカビの観察」でした。
図書館でたまたま自由研究に関する書籍を見ていてカビの発生を防ぐ方法がテーマになっていたのに興味を持ち、夏休み暇だったので観察を始めました。
カビの観察テーマの1つに、「パンに含む水分量は保存場所によって減少しづらくなるか?」という観察例が、自由研究本の例に書いてあったので実験を始めたのですが、準備が終わった後に家に「はかり:重さを測る道具」がないことに気づきました。
後先のことを考えずにパンなどを買って観察の準備を終えてしまっていたダメダメ中学生は、苦肉の策で「天秤/はかり」は以下のように自作で作りました。
そして、パンの重さを測るために、パンの反対側の更に、硬貨(お金)をおいて、パンの重さをはかりました。(1円玉:1g 50円玉:4gと換算)
凄く不格好に思えたがレポートには、ちゃんと観察したというアピールをしたかったので、天秤/はかりの写真と、重さの根拠として1円玉:1g 50円玉:4gと換算して、パンの重さを測ったことも書きました。
そのダメダメ中学生が提出した「パンに生えるカビの観察レポート」は、嫌われていた理科の先生に絶賛され、しばらく職員室前に掲示されました。その先生曰く、特に良かったのが天秤/はかりと硬貨(お金)でパンの重さを測った工夫が素晴らしいとのことでした。
この経験から伝えたいことは、子どもにとって大人に与えられた学びの多くが長く記憶に定着しない一方で、自分が選んだ学びの体験から発見した知識は、大人になった今でも記憶に残すことができているということです。
もちろん、嫌われていた先生とはいえ褒められた喜びが成功体験として記憶に残ったのかも知れませんが、その成功体験も含めて自由研究のような学びでしか得られない成果があるのではないでしょうか。
※私の個人的な夏休みの思い出話につき合わせてしまい恐縮です。
まとめ
自由研究は、大人に与えられた学びとは異なり、課題を自分で決めて深めていく研究的な学びです。
自由研究が学校の成績に与える影響は少ないので、成績のために自由研究に取り組むなら、過度に時間をかけず適当に済ませることをおすすめします。
たとえば、実験系youtuberがやっている実験映像や、市販の実験キットを元に実験の予想と結果を元に気づいたことをレポートにまとめる程度でも、2章にまとめたポイントを網羅していれば、短時間で十分な品質の自由研究を仕上げることは可能かと思います。
ただ、学校では得られないワクワク楽しい学びができる夏休みの自由研究は、とても貴重な機会であるということも併せてお伝えしたいです。
STEM教育の方針に従って開発された米国の指導要領には「次世代科学スタンダードNGSS、Next Generation Science Standards」というものがあります。つめこみ型ではない教育、つまり実際に体験し、子どもたちに楽しんで学ぶ経験を持たせ、失敗も含め試行錯誤することがとても重要なものだと考えられています。
子どもの未来のために、大人になっても記憶していられる学びを提供してあげたいなら、子どもが興味を持てる研究テーマを一緒に探してあげ、最後まで興味関心が持てるように取り組めるように親御さんがファシリテートしてあげることが失敗しない自由研究のポイントになります。
パパさん、ママさん、めんどくさいのは同感しますが、同じ小学生の子どもを持つ親同士、一緒に頑張りましょう!
編集者情報
株式会社デジタル・ナレッジ 教育流通事業部 事業部長 中田 康宏 | |
何かを学ぼうとして買った教材が、「なんか求めてたものと違った」なんてことありませんでしたか? これは、長きに渡りeラーニング市場で消費者を悩ませている解決すべき課題です。私たちは、これらの学びのミスマッチを少しでも減らすために、「学びのprestudy(予習)」となる情報を集めています。 何かを学ぼうという意欲がある人は、その学びで得たものによって多くの人の役に立とうとする尊い人たちです。私たちは、そんな学ぶ意欲を持つ尊い人達のために少しでもお役に立てればと思い、学びの予習となる記事を本メディアにて公開しています。 |