空白 講座数 207 会員数

スイーツをつくる男たち

「ケーキやパフェはオンナ・コドモのもの。オトコが甘いお菓子を食べるなんてもってのほか!」。そんな風潮に、男たちは長い間縛られてきた。しかし、ここ数年でお菓子を巡る状況は一変した。甘いお菓子を堂々と食べ歩き、語り合う「スイーツ男子」が大活躍! 男の趣味として、お菓子づくりにトライする人も増えている。

「スイーツ男子」と呼ばれて

女性向けの雑誌やテレビ番組でお菓子が取り上げられるようになり、一大ブームを巻き起こしたことは記憶に新しい。甘いお菓子は「スイーツ」と総称され、国内外のスイーツに注目が集まるようになった。
そんな中で満を持して登場したのが、甘党であることをカミングアウトし、お菓子と積極的に関わる「スイーツ男子」たち。スイーツ本を出版し、マニアとして知られる俳優・的場浩司氏や、和洋菓子に精通する“スイーツ親方”・芝田山親方など著名人がメディアでお菓子の魅力を語り始めた。コンビニやメーカーがスイーツ男子とのコラボレーション製品を次々と開発、一般男子もブログやツイッターで情報を交換し合っている。
食すことへの興味が高まると、つくるほうにも意欲がわく。製菓材料や道具も、今ではネットショッピングなどで購入でき、気軽に始めることができる。昨今は、スイーツ男子の次なる目標に「お菓子づくり」という選択肢も加わってきたようだ。

男子限定、スイーツレッスンに潜入!

連日、マダムたちが行列をつくる有名店が建ち並ぶスイーツ激戦区、東京・自由が丘にお菓子教室「SUPER SWEETS SCHOOL」がある。主宰はモンサンクレールのシェフ・パティシエの辻口博啓氏。
ここでは月に1回、「男のこだわり スイーツレッスン」を開催。ル ショコラ ドゥ アッシュのシェフ・ショコラティエの若林繁氏が指導にあたっている。
ある週末、エプロンを持参した男たちがスクールに次々とやってきた。30代後半が中心だ。本日のテーマは「男のこだわりモンブラン・ショコラ」。焼き上げた2種類の生地と3つのクリームを組み合わせてつくるスペシャルなモンブランである。
「『ダマンド・ショコラ・ノアゼット』って、何?」「全卵45gは卵何個分?」「マロンペーストは既製品?」。さっそく質問が飛ぶ。若林氏が絶妙なトークを交えて疑問に答え、場を和ませる。イケメンの関西人。先生、得なキャラですね~。
「うまく混ざらない…」「ヘラはこう使うと扱いやすいですよ」。専用の道具を使っての実践は、とても楽しそう。一方で、生地の混合に市販のポリ袋を使ったりもする。ちょっとしたプロのコツが、作業効率を劇的に変える。実践的なアドバイスが得られるのが、こういったレッスンの醍醐味だ。
最初は慎重になっていた人も、慣れてくると大胆に手を動かすようになった。レッスン開始から試食まで2時間弱。飾りつけにも工夫した、男のこだわりモンブランのできあがり。
mens_sweets_img1.jpg
mens_sweets_img2.jpg
「思っていたより難しかったけど、やりがいがある。味も最高!」
「料理はつくるが、お菓子は経験なし。飾りつけが楽しい。これはハマるね」
「アメリカ在住の頃、現地でおいしいプリンがなく、自作し始めたのがお菓子づくりを始めたきっかけ。こんなに本格的なモンブランは初めて。家でもつくってみたい」
「夫婦ともに料理好きで、カフェ経営も計画中。自分の腕をもっと上げたい」
帰り際、全員に共通していたのは達成感のある優しい笑顔。皆さん、レッスンでいろいろ収穫があったようで。おつかれさまでした!

スイーツづくりがもたらす喜び

レッスンを指導する若林繁氏は、フランス人シェフに師事した、世界大会での優勝経験もある実力派ショコラティエ。プロの料理人は男が多いが、お菓子の世界も同様だ。
「自分の修業時代では、お菓子づくりを習いたいという男性はプロ志向の人ばかりでした。ここ数年で、一般男性もスイーツが好きと堂々と言えるようになり、僕自身もすごくうれしいし、スイーツ男子たちを頼もしく思っています」(若林氏・以下同)
男がお菓子づくりにハマるのはなぜか。本格的なスイーツの緻密なレシピ、専用の材料、機能美にあふれた製菓道具。マニアックな要素が多いのも、重要なポイントといえるだろう。
「専用ツールを使いこなす。それだけで、男はグッときてしまいますよね。実際に道具をうまく使えるようになると手早く作業できるようになるし、仕上がりも安定して、格段によくなります。お菓子づくりは、すごく奥が深いんですよ」
おいしいお菓子を家族に食べさせたい、本格的な技術を身につけたいなど、お菓子づくりを学ぶ人の目的はさまざまだ。では、スイーツをつくる極意、その喜びとは?
「つくって食べて『楽しい!』と思えたら、まず成功です。食べる人の顔を思い浮かべて、一生懸命つくる。凝ったスイーツなら、食べる人との会話もきっと弾みます。相手が『おいしい』と言ってくれると、やりがいを感じますよね。言われなければ、リベンジを! そうやって、皆さんお菓子づくりにハマっていく。楽しいと自然にレベルもアップしますよ」
取材協力:
SUPER SWEETS SCHOOL自由が丘校

取材した講座は
「男のこだわりスイーツレッスン」

チュートリアルの徳井義実さんが若林繁シェフからレッスンを受けました!:
SSS自由が丘校ブログ「貴公子対決★」
mens_sweets_img3.jpg

講師プロフィール

若林繁.jpg若林繁(わかばやししげる)
「ル ショコラ ドゥ アッシュ」 Chef Chocolatier

1974年大阪生まれ。「リーガロイヤルホテル」(大阪)入社。フランス人シェフJ.C.コルディエ氏のもとで11年修行をする。コンクールにおいて数たる賞を受賞。ショコラリー「ル ショコラ ドゥ アッシュ」(東京・六本木)のオープン当初よりシェフ ショコラティエとして務め、2007年「フォルテシモ アッシュ」(名古屋)常務取締役兼任。2009年クープ・デュ・モンド飴細工部門賞。